Friday, June 11, 2004

料理修行のUP TO DATE (9)

リストランテ「Siena」で規定時間を終え、無事卒業の運びとなった。オーナシェフのHerveyから、ここで仕事を続けてみないか。というオファーをもらったことはすごくうれしかったし、Phillをはじめ、お世話になった厨房の人たちとお別れするのはつらかった。

けど、やってみたいことがあった。

学校で、イタリアで、そしてレストランの厨房で「食」に携わるたくさんのプロを見てきた。彼らから知識を学び、技術を盗み、そして何よりその『心』を教わった。そして、一緒に学ぶ仲間たちからもたくさんの刺激を受けて、改めて気づいたことがある。

私は、おいしいものを食べたときの人の笑顔が好きだ。

こんなふうに書いてしまうといかにも小難しいのだけれど、全く違う食文化を持つこの国の人達に、日本というバックグランドを持ち、かつイタリア料理を深く敬愛する自分の作る味はプロの料理として通用するのか。つまり対価を払っても食べたいと思ってもらえるのだろうか。ということだ。

相手の好みに媚びず、自分の作り出す味にこだわりとプライドを持ちながらも、固執しない、、、あぁコムズカシイ。要は『おいしい♪』笑顔と空っぽになったお皿を見たい。のだ。

名の通ったレストランやホテルの厨房で、一流のシェフたちと一緒に仕事ができることはもちろん大きな魅力だし、勉強にもなる。肩書きとしても申し分ない。けれど、私がめざす料理人の姿は、作り手と食べる人の顔が見える距離で仕事をすること。つまり、その季節の旬の野菜や魚、安心できる食材を自分の手で選び、相手の好みを考えながらメニューを組み立て、おいしい幸せな顔を想像しながら料理ができること。

そんなことを考えていた矢先のこと、夢への実現へむけてのチャンスは案外と早くやってきたのだった。(続く)

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