Tuesday, June 29, 2004

料理修行のUP TO DATE (11)

パーソナルシェフになりたい!

と思ったとこまではよかったが、いったいどうすりゃいいのか。という具体的な方法については皆目わからない。ま、こっちに来てから、何度かパーティも主催したし、知り合いや友達のパーティには数知れず参加しているんだけど、パーソナルシェフがいた事って、、、あったっけ?

そんな時。間もなく12月になろうとするある日のことだった。恒例のバザーのお誘いのカードが送られてきた。これは友人のひとりが、何人かの友人とグループで、毎年行っているチャリティバザーで、メンバーの誰かの家を会場にして、出展者を募り、その収益の一部が地域の恵まれない子供たちや、その家族に寄付されるイベント。手作りのジュエリーとか、キルティングのブランケット、季節柄、クリスマスツリーのオーナメントなんかもある。アメリカでは個人レベルでのこういったチャリティバザーなるものがこの季節非常に多い。私も去年初めて参加し、ハーブの手作り石鹸とバスソルトを買ったのだった。

ふーん。今年はどうしようかなぁ。と返事をしないまま、2、3日が過ぎた頃、主催者のひとりであるKim から電話があった。

「ごめん。返事してなくて。」と謝る私の言葉を最後まで聞かず、Kimは畳み込むようにこう言ったのだった。

「料理作ってもらうことにしたから」

「へ?」

この友人、普段からせっかちでいつも足が(漫画的に言うと)くるくる回っているような忙しい人なんだけど、この時もやっぱり前後の話なし。単刀直入でいきなり結論。聞いてる私は???。の状態なのだった。

アクセルぶっちぎりで爆走しようとするKim の話の腰を折り、とにかく聞いてみたところによれば、そのバザーにやってきてくれるお客さんたちがつまめるスナックを用意しなくちゃいけないんだけど、毎年チップスとかクラッカーとか買ってきたもので間に合わせちゃってて、ちょっとつまんない。で、料理学校出たSienaで見習いやってる友達がいるよ(私のことです)!って話になって、で、そりゃいい!ぜひ彼女に(私のことです)お願いしましょー。という話になって。

「あ、もう引き受けてきちゃったのよ。だめだった?」

途中から突っ込みなしで黙?って聞いてる私の沈黙にようやく気づいたのか、Kim ったらやっと疑問符のついた文章を投げかけてくれた。

「いや、ダメじゃないんだけど。」 と、私。

ダメじゃないけど。

そう。私はひらめいちゃったのだった♪ (^_^)v

Tuesday, June 22, 2004

料理修行のUP TO DATE (10)

ひとくちに料理人と言っても、その腕を発揮する場はさまざま。 レストランで働いている人だけがシェフじゃございません。

たとえば。

Food Writer - 雑誌や新聞に食に関する記事を書く人。
Event Planner - Food Show や Trade Show のイベント企画。
Public Relations -シェフや話題の食べ物を発掘し、主にメディアを通してその認知度を浸透させる仕事。

この他にも、 Non-Profit organizations, Chef Instructor, Restaurant consulting, Product Development, Catering...などなど。

食あるところにシェフあり。なのである。

で、私がやりたかったことは。

『Personal Chef』またの名を『Private Chef』という名前を聞いたことがあるだろうか。厳密にはこの2つにはそれぞれの細かい定義があるみたいなんだが、要はお客さんのシチュエーションに合わせた料理を、お客さんの家のキッチンで調理し、サーブする仕事。家族のバースディだったり、結婚記念日だったり、あるいは友達を招待してのパーティだったり。

ちなみにこれが英語で書かれたパーソナルシェフのお仕事。

Private Chefs work for families and private clients to create and produce menus to their specifications. This field requires knowledge of sourcing, storage and food safety. A culinary education is essential to understand products, meet and understand dietary resrictions, creative menu development and the discipline that goes with putting it all together.

日本での認知度は今ひとつのようだが、アメリカ人は大のつくパーティ好き。おうちでカジュアルに、家族や気心のしれた仲間とのんびり楽しみたい。だけど、お料理の準備やサービングに煩わされたくない。あるいはマンネリのパーティメニューから抜け出して、ちょっぴり本格的な料理を楽しみたい。このテのニーズにぴたりとはまったのがパーソナルシェフ。という訳。

パーティの内容や、出席者の好みや食餌制限を考慮し、予算とにらみあわせながらメニューを決める作業から始まって、買出し、下準備、当日の調理、サービング、片付けまでの一切を取り仕切る。自分の作った料理を味わうお客さんの『おいしい顔』を一番近くで見たい!この願いを叶えてくれる仕事は、これをおいて他にない!

さて、どうやったらパーソナルにシェフになれるんだ?? (続く)

Friday, June 11, 2004

料理修行のUP TO DATE (9)

リストランテ「Siena」で規定時間を終え、無事卒業の運びとなった。オーナシェフのHerveyから、ここで仕事を続けてみないか。というオファーをもらったことはすごくうれしかったし、Phillをはじめ、お世話になった厨房の人たちとお別れするのはつらかった。

けど、やってみたいことがあった。

学校で、イタリアで、そしてレストランの厨房で「食」に携わるたくさんのプロを見てきた。彼らから知識を学び、技術を盗み、そして何よりその『心』を教わった。そして、一緒に学ぶ仲間たちからもたくさんの刺激を受けて、改めて気づいたことがある。

私は、おいしいものを食べたときの人の笑顔が好きだ。

こんなふうに書いてしまうといかにも小難しいのだけれど、全く違う食文化を持つこの国の人達に、日本というバックグランドを持ち、かつイタリア料理を深く敬愛する自分の作る味はプロの料理として通用するのか。つまり対価を払っても食べたいと思ってもらえるのだろうか。ということだ。

相手の好みに媚びず、自分の作り出す味にこだわりとプライドを持ちながらも、固執しない、、、あぁコムズカシイ。要は『おいしい♪』笑顔と空っぽになったお皿を見たい。のだ。

名の通ったレストランやホテルの厨房で、一流のシェフたちと一緒に仕事ができることはもちろん大きな魅力だし、勉強にもなる。肩書きとしても申し分ない。けれど、私がめざす料理人の姿は、作り手と食べる人の顔が見える距離で仕事をすること。つまり、その季節の旬の野菜や魚、安心できる食材を自分の手で選び、相手の好みを考えながらメニューを組み立て、おいしい幸せな顔を想像しながら料理ができること。

そんなことを考えていた矢先のこと、夢への実現へむけてのチャンスは案外と早くやってきたのだった。(続く)